花春のこだわり
【その二】 良質な地下水
冬の積雪は雄大な山々と盆地に懐深く蓄えられ、磨かれて良質な地下水となります。 日本酒の繊細な味と香りを生み出すのは美味しい水でしか成し得ません。 会津は盆地で、四方を山々に囲まれています。 雪も多く降る土地で、水も豊富です。 美味しい水があるところには、美味しい米があり、美味しい酒があると言います。
日本酒の成分は、約80%が水で、アルコール分が約15%、エキス分は数%で、「水」が大きな比率を占めています。 水には、酒にとって有効な成分、有効でない成分があります。 酵母の発育に必要な無機成分が適度に含まれた水が、酒造りに適しています。 お茶をたてて美味しく飲める水は、酒造にも向いています。 会津若松の水質は、中程度の高度を有する地下水であり、お酒に「甘さ」、「濃さ」を出しやすく、 喜多方の水質は軟水系で、お酒に「軽さ」、「きれいさ」を出しやすいそうです。
若松の水質で味のきれいさを出すためには、米をより白く精米し、低温で長期間発酵させるか、水の硬度を減らすことが必要になります。 花春酒造では、電気が通電しないほどの超純水製造システムを導入し、水の硬度を酒の種類別に変えられるようにしています。 同じ水を使っていても味に違いが出るように、様々な工夫がされています。 色々な蔵や地域の酒を飲み比べる際、水のことを考えてみるのも楽しいと思いますよ。
【その三】 酒を育てる気候
生まれたての酒を貯蔵することで旨味、まろやかさ、深い味わいを引き出す事ができます。 会津の積雪と寒さは、この貯蔵にも最適な気候・風土といえます。 これらの要素に、うまさへのこだわりから編み出された技が加わることで、より「良い酒」が生まれます。
醗酵棟
原料処理棟から送られてきた原料を醗酵させる場所です。 大型の醗酵タンクは200石(36,000ℓ)仕込み用のタンクです。 1本当たり最大で白米13tの仕込みができます。 出来上がりの原酒は約37,000ℓで市販酒1.8ℓ換算で30,000本弱を一度に製造する事ができます。