乳白の金彩グラス

第一印象は、乳白色のガラスに金箔が華麗な印象を与えている上品なグラスだと思いました。

金箔は裾を広げる雄大な山を象り、乳白は雪をイメージしているのかな?

いつものようにグラスを撮影台に置きライティングを始めたのですが、ここで少し戸惑いました。

いや、はっきりといえばそれは驚きといっても良いでしょう。

黒い背景の中に置かれたグラスは不思議な光り方をしていました。

白いグラスだと思っていたのですが、ほんのりと青く光って見えるのです。

それは色のついた染料やインクのようなものではなく、貝殻の内側に見える虹色のような光り方なのです。

光の反射が色づいて見えている?

そんな表現しか思い浮かびませんが。

金箔が山を象っているとするなら、いま目の前に見えている風景は白い雪は止みキンと冷えた青い空が広がっています。

その妖しくも美しい光り方を捉えようと夢中でシャッターを切りました。

ひとしきり撮り終え、ライティングをやや逆光気味に変えてみるとさらに驚くことに!

青白いグラスだったのが今度はアンバーな色合いに見えます!

アンバーというのはオレンジ色から茶褐色までの中間ぐらいの色のことで、夕日に染まった情景を思い浮かべていただくとわかりやすいかもしれません。

さらに光の角度と出力を変えてみると、間も無く夜を迎えようとする刹那のルビー色に染まった山が見えます。

この可憐な小さなグラスには刻一刻変わる山と空の表情が閉じ込めてあったのですね! 驚きました。

写真でこの驚きと感動が伝わると良いのですが。

さて、このグラスでいただくなら…私は純米大吟醸を選びます。

小さなグラスが見せてくれる雄大な景色を、純米酒の旨味と華やかな吟醸香を贅沢に味わいながら眺めたいな。


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